ドラマ『コンフィデンスマンJP』 レビュー

〈点数〉

４．２(超オススメの名作)

〈一言〉

この詐欺師は騙すことで人を救う。迷ってるなら一度は観るべし。しかし、少なくとも二話までは観よう。

〈ざっくりあらすじ〉

ダー子、ぼくちゃん、リチャードの三人のコンフィデンスマン(信頼詐欺師)が数々の癖のあるやつらを引っ掛ける、クライムコメディ。

ほんとそれだけ。シンプル・イズ・ベスト。

〈批評〉

ドラマは、少なくとも10話近くあって単純に尺が長いので、細かいところまできっちり描かれます。

また何回も反復して放送するから、ノリというか『お決まり』みたいなのも出てきます。

ドラマは長いので観るのは億劫だけど、一度キャラクターや世界観にどっぷりハマると、もう逃げられなくなっちゃう魅力があるんですね。

だからこそ、『○○ロス』なんて言葉が生まれたんでしょう。

それが映画にはないドラマ特有の魅力で、デヴィッド・フィンチャーがドラマ『ハウス・オブ・カード』を作った動機もその辺にあったそうで。

前置きが長くなりましたが、そんなドラマの魅力がぎっしり詰まったのが、今回紹介する『コンフィデンスマンJP』です。

今や名前だけで客を呼べる数少ない脚本家に名を連ねた、古沢良太の完全オリジナルストーリー。

私は『リーガル・ハイ』以来、この人のファンで、「俺の中で『リーガル・ハイ』を超えるドラマはしばらく出てこないんじゃないか」と思ったもんですが、いやはや超えたかも。

ただ『リーガル・ハイ』ファンの人は初回だけなら観て見切りつけちゃう人もいたのでは？

私はそうでした。

そんな人には是非2話以降も観て頂きたい。

このドラマの真骨頂は2話からです！

古沢良太という人の脚本の良さは色々あると思うんですけど、『人間そんなに悪いもんじゃない』と思わせてくれることだと私は思っています。

本作のストーリーの基礎は、要はルパン3世のようなもので、悪人を騙す痛快な展開にあります。

主人公が犯罪者な訳だから、そうしないと共感が得られない訳ですね。

しかし、この作品はそこでは終わらず、騙された悪人が憑き物が落ちたように救われるのですね。

なんでかって言うと、自分のやってきた悪いことのアホくささを騙されたことで気付かされるから。

騙された悪人が再生されるというか。。。それがもう堪らないぐらいに心地よい余韻を残すのです。

こういう話作りをしてるドラマや映画って他にもあるのかな？

あるんでしょうけど私はあまりパッと思い浮かばないし、ここまで意識的に推してくるのは古沢良太が初な気がします。

とにかく、そんな『お決まり』を持つ本作なのですが、実はこれは1話にはないのですね。

悪人を懲らしめて終わり。

「面白いけど、なんだか普通の話だなー」と思っちゃって、私は1話観てからしばらく2話を観ていませんでした。

しかし！2話からは毎回毎回手を替え品を替え、この『お決まり』を何回も見せつけられて思いました。

「あ、やばい、このドラマ最高や」と。

気づいたら、その世界観にどっぷりハマっていたのです。

さて、この作品は話も最高なんですが、演出も最高です。

『古畑任三郎』『ハウス・オブ・カード』なんかでも使われてますが、いわゆる「第四の壁」を破る、つまり視聴者に話しかける演出があります。

(そういえば今思い出しましたが、古畑任三郎にも犯人が救われる話がいくつかありましたね)

これベタといやベタなんですけど、スベるとキツいからか、なかなか使われづらい演出に思えます。

その分キマるとそのドラマの個性として凄く印象に残るばかりか、視聴者も緊張感を持って観れるような気がします。

冒頭の長澤まさみ扮するダー子の朗読シーンもそうですが、そんな『お決まり』の演出がまたいいんですよね。

他にも本作の魅力は色々ありますが、とにかくドラマらしさが全開のドラマで、是非一度全部観てみて、『コンフィデンスマンJPロス』を味わってください。笑

勝手な予想ですが、多分続編ありますよ！

〈視聴方法〉

まだDVD・ブルーレイが発売されていない『コンフィデンスマンJP』は2018年8月21日現在、以下の方法で視聴できるようです。

①動画配信

FOD(フジテレビオンデマンド)

フジテレビの動画見放題の配信サービス。

31日間無料ですから、一気見も可能です。

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また、本作DVD・ブルーレイの発売予定日は2018年9月19日です。 

②DVD・ブルーレイを購入

③TSUTAYAでDVD・ブルーレイをレンタル。

TSUTAYAディスカスなら、動画配信サービスと宅配レンタルサービスが可能です。

こちらの動画配信サービスでも本作は視聴できそうだけど、現時点では見放題対象作品ではないようですね。