ドラマ『黒井戸殺し』レビュー
〈点数〉
3.8(誰にでもオススメできる良作)
〈一言〉
やられた。原作を知ってる人はアレンジを、原作を知らない人は時代を超えた名作ミステリーを楽しむべし。私は後者でした。
〈ざっくりあらすじ〉
町一番の権力者・黒井戸が殺された。名探偵・勝呂と黒井戸の主治医・柴のコンビが事件解決に乗り出す。
まあ、王道のミステリーですな。
〈批評〉
アガサ・クリスティ作『アクロイド殺し』を三谷幸喜脚本でドラマ化。
「灰色の脳細胞」ポアロをモデルにした勝呂武尊を野村萬斎が好演。
2018年4月の放送のようですが、今は家にテレビがなく動画配信サービスばかり観てるもので、この手の作品の情報がとんと入らず。。笑
FOD(フジテレビオンデマンド)を適当に見てたら、たまたま見つけました。笑
さて、実はこのドラマはフジテレビの単発ドラマとして第2作にあたります。
前作『オリエント急行殺人事件』とは異なり、本作ではバディ物という趣向。
つまり相棒がいまして、その医師・柴を大泉洋が演じます。
勝呂は神経質でわがままな変人、柴はしっかり者の常識人。
この勝呂と柴の絡みが妙にとぼけてて、なかなかいいのです。
私としてはここが一番楽しめました。
二人ともコメディ的な絡みが凄く上手いんですよね。
そして、柴の姉を演じる斉藤由貴がまあ可愛らしくて、いいスパイスになっていました。
そして、こういう犯人を当てるタイプのクラシックなミステリーは、キャスティングで犯人が分かっちゃうので、こういう特別ドラマじゃないと難しいのでしょう。
それを補う豪華俳優陣もとても見応えがありました。
そして、話としては原作がさすが時代を超えた名作なだけあって本当に見応えがありました。
三谷幸喜は、原作にかなり敬意を払っていたようで、舞台を太平洋戦争直後の日本にした以外はかなり原作に忠実にしたとか。
三谷幸喜特有のはっちゃけた感はあるものの、作品として観やすかったですね。
ただ、途中がちょっと冗長で退屈なところもあったかな。。笑
しかし、それにしたって三谷幸喜は本当に上手い。
伏線はさりげなく、その回収は爽快感抜群。
前作『オリエント急行殺人事件』より、かなり気持ちよかったです。
しかし、ラストは胸が痛くなるほど切なくなりました。素晴らしい脚本だったと思います。
しかし勝呂は怖いですねー。。
演技は最初から最後まで一定なんですけど、それが最初は滑稽で、中盤は明晰で、終盤はもはや不気味で怖かったです。
その辺りの野村萬斎の演技も見所かなと思います。
それにしてもアガサ・クリスティはこんな話を連発してたんですかね?やはり歴史に名前が残る人は違いますね。
私は完全にホームズ派なもので、この原作を恥ずかしながら未読なんですが、このドラマを観てしっかり読んでみたくなりました。
これまたFODにポアロのドラマ版があるんですが、せっかくだし観てみようかな。。
〈視聴方法〉
『黒井戸殺し』は2018年8月21日現在、以下の方法で視聴できるようです。
①動画配信
FOD(フジテレビオンデマンド)
フジテレビの動画見放題の配信サービス。
31日間無料ですから、一気見も可能です。
②DVD・ブルーレイを購入
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③TSUTAYAでレンタル
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